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秋季ニュースレター(No. 40) as of
2020/10/30

Contents

税金関連

新型コロナ感染拡大に対する税務上の取扱い

企業業績の悪化に伴う役員報酬の変更

新型コロナウィルス感染症の拡大の影響を受けた急激な業績と資金繰りの悪化に対応するために、役員報酬の減額を検討する企業もあるかと思います。役員報酬を定時株主総会後に変更した場合は、原則的には法人税の損金算入に一定の制限がかかります。ただし、同じく法に定める「臨時改定事由」または「業績悪化改定事由」に該当する場合、相当な減額理由として認められます。
今回、新型コロナウィルス拡大の影響により、役員報酬の減額をした場合には、上記の業績悪化改定事由に該当するケースが多いと思われます。国税庁は「新型コロナウィルス感染症に関連する税務上の取り扱い関係」のFAQにおいて、業績悪化改定事由に該当する下記2つの事例を挙げています。

(1) 業績等が急激に悪化し、家賃や給与等の支払いが困難となり、取引銀行や株主との関係からもやむを得ず役員報酬を減額しなければならないケース

(2) 現状では、売上などの数値的指標が著しく悪化していないとしても、観光需要の著しい減少などの理由により、回復の見通しが立たず、今後の経営状況の著しい悪化が不可避なケース

ただし、期中に状況が改善し、元の水準に戻す増額改定は職務内容の大幅な変更など期中での役員報酬の増額を認める臨時改定事由には該当せず、増額部分の損金算入は認められません

居住者証明書を取得できない場合

租税条約に関する届出書に添付する居住者証明書について、新型コロナウィルス感染症拡大の影響により、外国の税務当局による居住者証明書の発行が遅延している場合には、当分の間、以下の提出方法でも問題ないとされました。

(1) 源泉徴収義務者が、原本に代えて非居住者の居住者証明書(おおむね1年以内に発行されたもの)のコピーを作成し、届出書に添付して提出する方法(後日税務署から直近の居住者証明書を依頼された場合には、原本を提出)

(2) 非居住者等が源泉徴収義務者の関連会社の場合、届出書の余白部分に「所得者は、支払者の親会社であり、〇〇国の居住者であることが明らかである。居住者証明書の発行が遅延しているため、当該証明書は後日提出する」等と記載して提出する方法

個人所得税

昨年秋のニュースレターでご案内しましたが、2020年1月から源泉所得税の改正が行われました。主な改正点は以下の通りで、今年の年末調整業務が大幅に変更されます。

給与所得控除の引き下げ

給与所得控除額が一律10万円引き下げられました。さらに、控除の要件である給与収入の上限が現行の1,000万円から850万円に、給与所得控除額の上限額も現行の220万円から195万円に引き下げられることになりました。

基礎控除の引き上げ

基礎控除は、適用に制限がなく、全ての納税者が一律38万円を控除できました。今回の改正により、適用要件が設定された上で、控除額が最大48万円に引き上げられることになりました。

所得金額調整控除の創設

今回の改正で年収850万円を超えると所得税が増税となることを受け、特別障害者の介護や子育て世代の負担が増えないよう、「所得金額調整控除」が創設されました。年収が850万円を超える人で、次のいずれかの要件を満たす場合、年収から850万円(年収が1,000万円を超える場合には1,000万円)を控除した金額の10%に相当する金額が控除されます。(15万円が限度)

(1) 本人が特別障害者に該当する者

(2) 23歳未満の扶養親族を有する者

(3) 特別障害者である同一生計配偶者または扶養親族を有する者

年末調整で上記基礎控除または所得金額調整控除の適用を受ける場合、「給与所得者の基礎控除申告書兼給与所得者の配偶者控除等申告書兼所得金額調整控除申告書」の提出が必要になります。

未婚のひとり親に対する税制上の措置及び寡婦控除

これまで、同じひとり親であっても、離婚・死別であれば寡婦(夫)控除が適用されるのに対し、未婚の場合は適用されませんでした。また、男性のひとり親と女性のひとり親で寡婦(夫)控除の額が違うなど、男女の間でも扱いが異なっていました。このような背景から全てのひとり親家庭に対して公平な税制を実現する観点から改正が行われました。改正後の控除金額についてご案内します。

死別 離別  未婚の ひとり親
本人所得 ~500万円 500万円~ ~500万円 500万円~ ~500万円
 扶養親族 35万円 35万円 35万円
子以外 27万円 27万円
27万円

※ 女性のみが適用

ただし、事実婚のケースには適用がありません。
2020年分の年末調整から適用となります。また、源泉徴収については2021年1月より適用となります。

給与・社会保険関連

社会保険の改正

厚生年金保険の標準報酬月額の上限の変更

2020年9月から、厚生年金保険の標準報酬月額の上限が変更になりました。以下の通り、上限等級(第31級・62万円)の上に1等級追加され、上限が引き上げられました。

改定後

月額報酬 標準月額報酬 報酬月額 厚生年金保険料月額
金額 被保険者負担分(折半額)
18.300% 9.150%
第31級 620,000円 605,000円以上 635,000円未満 113,460円 56,730円
第32級 650,000円 635,000円以上 118,950円 59,475円

 

雇用保険の改正

失業給付受給資格に必要な被保険者期間算定方法の変更

2020年8月1日以降に離職した方から、失業等給付の受給を得るために必要な被保険者期間の算定方法が変わりました。失業等給付の支給を受けるためには、離職をした日以前の2年間に、被保険者期間が通算して原則12か月以上あることが必要です。従来は賃金支払の基礎となる日数が11日以上ある月を1か月としていましたが、改正後は賃金支払の基礎となった労働時間数が80時間以上ある月も1か月として計算できるようになりました。

失業給付の給付制限期間の短縮

2020年10月1日以降に離職した方の給付制限期間が2か月に短縮されました。従来は、自己都合退職で雇用保険の失業等給付を受給する場合、離職票提出日から7日間の待期の後、さらに3か月間の給付制限期間を経て支給となりました。2020年10月1日以降、給付制限期間が2か月に短縮されました。ただし、給付制限期間の短縮措置は5年間のうち2回の離職までに限定されています。5年以内に3回の離職がある場合は、3回目の離職に係る給付制限期間は3か月となります。

新型コロナと傷病手当金・労災補償

新型コロナに係る傷病手当金支給について、厚生労働省からQ&Aがリリースされています。
https://www.mhlw.go.jp/content/000604969.pdf
新型コロナに係る労災補償についても厚生労働省から通達とQ&Aがリリースされています。
https://www.mhlw.go.jp/content/11601000/000635285.pdf
複数の感染者が確認された労働環境下での業務に従事していた場合には、労災保険給付の対象とするとされています。

在宅勤務と労務管理

新型コロナ感染症防止対策をきっかけに、今後も在宅勤務をはじめとする多様な働き方が徐々に浸透していくと予測されます。在宅勤務と出社を併用する会社の人事担当者がおこなっている、よくある対応策や課題をまとめました。

【労務管理面】
・時間外勤務や休日労働(残業)のルールを明確にする、あるいは残業を強要しない(※)

・在宅勤務時と出社時との生産性・業務量等から判断し、黙示の命令による残業とみなされないよう、業務内容や業務分担や不要となる業務を無くすなどの見直しを行う

・社員の精神面のフォロー対策(孤立感をなくす、相談できる環境を作る)

・勤務時間中の中抜けを認め、終業時間後に中抜け分を勤務する(スライド制度)や、始業終業時間の繰上げ・下げを可能にする制度を導入

・時差出勤と在宅勤務の併用、および時差出勤と在宅勤務とスライド制の併用を導入

(※)残業の申請方法が就業規則に記載されているか、実際の運用方法に沿った内容なのか等、この機会に確認してみてください。

会社によっては在宅勤務可能な職種と、不可能な職種が混在していることもあるので、不平等が起きないよう均衡(バランス)を図ることが大切です。

【給与面】
・在宅勤務手当(通信費・光熱費負担分を勘案した金額)を毎月支給

・在宅勤務日数に応じて通信費・光熱費手当を翌月支給

・前払いまたは当月通勤手当(定期代)の支給を廃止し、翌月に通勤手当を出勤日数に応じて支給する。(在宅勤務が月XX日未満は出勤日数に応じた1日単位の通勤費を支給し、XX日以上は定期代を支給する等)

通勤費は法律で支給が義務付けられていないため、支給の有無は会社の判断によります。また、従来まで支給していた定額通勤費を一方的に不支給とすることは不利益変更になりますので、事前の丁寧な周知で従業員の理解を得る必要があります。

国税庁の年調ソフト

2020年10月1日、2018年税制改正の年末調整手続の電子化に向けた取組の施策として、国税庁から年調ソフトがリリースされました。弊社では、今年の年末調整から年調ソフトを使用するには準備の期間が不十分と考え、やむなく使用を見送ることとしました。来年以降は、年調ソフトに限らず他のソフトウェアベンダーのサービスも幅広く検討し、EPSの機能拡張により対応することも含め年末調整手続の電子化に取り組んでいく予定です。ご理解のほどお願いいたします。
年調ソフト(国税庁):
https://www.nta.go.jp/users/gensen/nenmatsu/nencho.htm

パワハラに関する法律の改正

2020年6月1日、労働施策総合推進法(パワハラ防止法)が施行されました。これにより、職場でパワハラ防止のための雇用管理上必要な措置を講じることが事業主の義務となりました。あわせて、セクハラ、マタハラ防止対策も強化されています。ただし、中小企業については、2022年3月31日までその適用が猶予されます。
オフィスマネジャー・セミナーで弁護士 大塚一郎氏に詳しく講演をしていただきます。
OC & Associates株式会社
OC & Associates 税理士法人
OC & Associates社会保険労務士法人
〒102-0094
Kioicho Building 17F
東京都千代田区紀尾井町3-12
紀尾井町ビル 17F
TEL 03 (5276) 0900

オフィスマネージャー・セミナー(ウェビナー)

税制および給与に関する最新動向を説明するアニュアルセミナーを開催いたします。ゲストスピーカーとして東京六本木法律特許事務所から弁護士 大塚一郎氏をお迎えし、パワーハラスメントについて講演していただきます。参加希望の方は、2020年11月5日(木)までに下記メールアドレス宛にご連絡ください。今回はZoomウェビナーでの開催となります。

distribution@ocassociates.jp

日時: 2020年11月10日(火) 午後1:30から午後3:30

場所: バーチャル(参加希望の方にzoomのリンクをご連絡いたします)

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